ジャークチキンとは?
ジャークチキンは、ジャマイカを代表するスパイシーなグリル料理です。
鶏肉をスコッチボネットペッパーやオールスパイス・タイム・ねぎなどで作ったペーストに漬け込み、炭火で焼き上げることで香ばしさと刺激的な辛さが広がります。今では世界中で愛されはじめている“ジャマイカの国民食”です。
ジャークチキンの起源と歴史
ジャークのルーツは、ジャマイカの先住民アラワク族やタイノ族の調理法にあります。
彼らは野生の豚を香辛料で味付けし、木の枠(barabicu=バーベキューの語源)で燻し焼きにしていました。
17世紀になると、植民地時代の混乱の中で山岳地帯に逃れた奴隷の子孫「マルーン」たちが、この技術を受け継ぎ発展させます。豚を狩り、香辛料で覆い、プランテンの葉で包み、地中のかまどでじっくり蒸し焼きにする――煙を外に漏らさないこの方法は、生活を守る知恵でもありました。
「ジャーク」という言葉は、スペイン語 charqui(干し肉)に由来する説や、肉をひっくり返す“ジャーキング”という動作に由来する説などがあります。いずれにせよ、肉をスパイスで味付けし、保存性を高める調理法を指していたのです。
もともとは「ジャークポーク」として食べられていたこの料理法は、やがて鶏肉にも応用され、現在では「ジャークチキン」がジャマイカを代表する国民食となりました。いまでは魚やエビ、さらには世界各国の食材にも広がり、グローバルに愛されるスタイルへと進化しています。
ジャークのスパイスと材料
ジャークチキンの味を決めるのは、ジャマイカならではの香辛料とハーブです。
特に欠かせないのが、次の3つです。
スコッチボネットペッパー
ジャマイカ原産の唐辛子で、鮮烈な辛さとフルーティーな香りを持ちます。ジャーク独特の刺激と風味の源です。
オールスパイス
クローブ・シナモン・ナツメグを合わせたような香りを持ち、深みと甘いスパイス感を加えるジャマイカを代表する香辛料です。
タイム
爽やかで清涼感のある香りが肉の旨みを引き立て、スパイスの辛さと絶妙な調和を生みます。
これらに、にんにく・ネギ・砂糖・塩・ライムジュースや酢を組み合わせ、ペースト状にして鶏肉に漬け込みます。
シンプルな材料ながら、その組み合わせによって唯一無二の「ジャマイカの味」が生まれるのです。
ジャマイカ人にとってのジャークチキン
ジャークチキンは、単なる料理ではなく ジャマイカの誇りと文化の象徴 です。
もともとはマルーン(逃亡奴隷の子孫)たちが山中で生き抜くために受け継いだ調理法でしたが、いまでは国中で愛される「国民食」となりました。
特に有名なのが、ポートランド県ボストンベイ。ここは「ジャークの聖地」と呼ばれ、ビーチ沿いの屋台やジャークセンターからは、スモークとスパイスの香りがいつも漂っています。炭火の上に広げられたチキンやポーク、そして立ちのぼる煙は、まさにジャマイカを象徴する風景です。
ジャークは、屋台で気軽に食べられるストリートフードであると同時に、休日の家族の集まりやお祭りにも欠かせないごちそうです。日常と特別な時間のどちらにも寄り添い、ジャマイカ人のアイデンティティを映し出す味として親しまれています。
世界に広がるジャークチキン
ジャークチキンは、ジャマイカを飛び出し、世界中で愛される料理となっています。
ジャマイカから移住した人々によってイギリス、カナダ、アメリカをはじめとする各地に伝わり、今ではカリブ系移民の多い街なら必ず見かける存在です。
ロンドンやトロント、ニューヨークでは、ジャークチキンを提供するレストランやフードトラックが数多くあり、地域の人々の定番グルメとして根付いています。
ニューヨークでは、フードデリバリーサービスでも高い人気を誇り、ピザやバーガーに並ぶ注文数を記録するとも言われています。
また、フランス領カリブでは「プーレ・ブカネ」と呼ばれる燻製チキンがジャークとよく似た料理として食べられており、カリブ全域に広がる食文化のつながりも感じられます。いまやジャークチキンは「カリブのソウルフード」として世界に知られ、グローバルな食のトレンドの一つとなっているのです。
ご家庭で本格的に楽しむジャークチキン
ジャークチキンは、ジャマイカの屋台やレストランで食べるだけでなく、ご家庭でも手軽に再現できます。
鶏もも肉にジャークシーズニングをしっかり揉み込み、数時間漬け込んでから焼くだけで、炭火の香ばしさとスパイスの刺激が広がります。
Tropical Fire ジャークシーズニング を使えば、複雑なスパイスを揃える必要はありません。
ジャマイカ大使館でも提供される本格的な味わいを、そのままご家庭で楽しめます。
鶏肉だけでなく、豚肉・魚・エビ・野菜にも応用可能。バーベキューやキャンプの主役にもぴったり。オーブンやフライパン調理でも美味しく仕上がります。
「ジャマイカの国民食」を、世界の食卓で。Tropical Fireが、日常にちょっとした旅気分をお届けします。
ジャークチキンのレシピを大公開!
BS日テレ「大使館シェフのおいしいレシピ」でご紹介したジャークチキンの本格レシピです。スパイスを一から調合して作りたい方はぜひ参考にしてください。もちろん、Tropical Fireのジャークシーズニングを使えば、同じ味をもっと手軽に楽しめます。
